19日目 パダンの青年。

実はバスで仲良くなった青年Aとは今日パダンで遊ぶ約束をしていた。

一応相手が私を友達だと思っているのか、商売相手だと思っているのか昨日の時点で探りを入れておいたが恐らくありがたいことに前者だと判断したので誘いを受けた。

昼頃、自前のスクーターで私が宿泊している宿まで迎えにきたAと昼食を食べに行く。


パダン料理。インドネシア中に広まっているパダンのレストランスタイル。出来上がった料理がガラス越しに並べられており、好きなものをいくつか選んで食べる。当然食べた分だけ支払うのだが、インドネシアはレストランで料金の表示があるところが少なく特にパダン料理では見たことが無い。

したがって食べ終わるまで料金がわからない。これがボッタクリ大国インドを経験した私としては大変な恐怖で、食べた後に法外な値段や外国人から割増料金を取っているのではと毎度、疑心暗鬼に陥ってしまう。

ただ今回の支払いはAが一緒なので安心だ。米、フライドチキン、野菜入り卵焼きを食べ、24kルピア。会計でお釣りを誤魔化されたが、受け取ったお釣りを何度も数える素振りを見せるとすぐに不足分を出してきた。

今まで行ったパダン料理より安い気がするのだが、単に高い店だったのかパダンの物価なのか、今まで割増料金だったのかは不明だ。

昼食の次は博物館に来た。


ミナンカバウ様式と呼ばれる特徴的な形をしたの建物内部が博物館になっている。

博物館ではミナンカバウ人(古くから近くにある山間の都市ブキティンギに住んでいた部族)の文化や対戦時代の日本軍に関する記録が紹介されおり、Aが色々と説明してくれた。

海を見に行こうというAの提案で崖上から海を見渡せるカフェに入った。


スゥスゥというココナッツジュース。ココナッツに練乳のようなものを溶かしてある。スプーンでココナッツの実を剥がしながら飲む。

続いてパダン中心部に戻り浜辺の市場を見学し出店を見て回り解散とした。


小さな漁船のすぐ隣で魚が売られている。あの小さな船で取ってきたのだろうか。

Aがバイクを出し色々と連れ回してくれた上に、食事も私が出したり、彼が払ってくれたりと最初に警戒したようなことは何もなかった。しかしここまでのもてなしを無償で受け取るのが逆に申し訳なくなり、ここで金を渡すのも失礼だと感じたので、帰りにガソリンスタンドに寄ろうと言いガソリン満タン分を何とか私持ちで支払った。とは言えスクーターの満タン分など知れているが。

Aに礼を言い、明日ブキティンギへ向うと告げるとバスのところまで連れてってやると申し出てくれた。優しいAに感謝しまた明日合う約束をして別れた。