17,18日目 戦々恐々30時間バス旅行。

11時発のバスなのだが何故か朝9時に来いとしつこく言われたため時間通りに到着した。
しかしバス会社の社員におはようじゃバス来るまで待っててね。と言われただけで2時間前に越させた意味をまるで感じない。


待ち時間に買ったサイのプリントが目立つジュース。
薄いブドウ水。絶妙に味がついていて個人的に好かないいろはすみたいだ。

炎天下の中、朝食を食べつつバスを待っていると一人の青年と仲良くなった。
彼は海外に出稼ぎに出ており、中国の船舶関係の仕事に就いているようだ。しかし、持病が悪化したためパダンに帰省する事になったと話していた。

話している内に時間は過ぎて、バスがやってきた。
バスの座席は彼の隣であり、バスでの移動中は行動を共にする事になる。

一方でバスの設備だが、修学旅行のような40人乗りの狭い座席でリクライニングもまともに機能していない上にトイレは写真に写すのが憚られるほど不潔であった。

2.3時間走るとバスはジャワ島とスマトラ島を結ぶフェリーに乗り込んだ。
今度のフェリーは長距離カーフェリーといった雰囲気で日本の中古なのか避難経路を示す緑色の案内に非常口と日本語で書いてあった。


1時間半ほどでスマトラ島に上陸し、また走り出す。
♪〜
途中休憩で夕食を青年と食べ、再びバスは走るのだが、夜の気温低下をものともせず昼間と同じ強さで冷房をつけているので車内は極寒。服をキャビンに入れてしまい半袖で凍えながらバスに備え付けのブランケットに包まり朝を待つことになった。周りを見るとみんな厚手のパーカーやダウンを着ており対策は万全だ。みんな寒いなら頼むから冷房を弱くしてくれ。
♪〜

ブランケットのお陰で何とか寒さには耐えられそうだが、次に厄介なのは音楽だ。バスが出発してから昼間のうちは気にしないようにしていたが、夜はやめて頂きたい。

ネパールの深夜バスの車内を思い出す様な爆音のbgmがかかる。インドネシア人は楽しんでいるのかと隣の青年に聞くが、彼も迷惑そうだ。

冷房とか音楽とか客が嫌がることしかしないバスの中で眠りにつく。

朝になっても30時間の道のりなだけあり、到着の気配はまるで無い。寒さは消えたが、寒さに耐えた疲労と狭い座席に耐えかね、睡眠と現実逃避に精を出す。

現実逃避とは大げさだが、ただバスの車窓から景色を眺めたり、ダウンロードしてきた書籍や映画を見るだけの要は暇つぶしをして劣悪なバスのことを一時的に忘れようと試みているに過ぎない。


日が昇ってからもバスは走り続け13時頃になり、ようやく食事休憩。
食べたのはサテーという東南アジアの焼き鳥。クアラルンプールやバリでも食べていたが場所によって味付けが全然違い面白い。


サテーでは足りず、インドネシアでよく見るカップラーメン、ポップミーを食べてみる。味は普通。

バスは理由不明の立ち往生や渋滞に巻き込まれながら午後10時ようやくパダンに到着した。

実に35時間の長旅がようやく終わりを迎えた。

この後、安心して眠りにつくまで二悶着ほどあるのだがそれはまた次回。