3日目優しさでたどり着いたダッカ 

3日目の朝、ドミトリーで何かと気にかけてくれたアフガン人のお兄さんとドミトリーに居合わせた日本人の方に別れを告げダッカへ向けて旅立った。

サダル近くの宿からバスに乗りシアルダー駅へ向かう。乗務員に行き先を聞かれ答えるとそこへは行かないと言う。グーグルマップでは確かに行くはずなのだが、このバスでは行けないらしい。ではどのバスに乗ればいいのだと聞いていると運転手と乗務員は阿吽の呼吸で前のバスへの接近と私の状況を伝えてくれ前のバスを止めてくれた。金はいらない。早くこのバスで駅に向かえと背中を押され感謝を叫びながら新たなバスに飛び乗った。

シアルダーから国境近くのバンガオンまでインド鈍行で2時間(お値段たったの20ルピー!)。バンガオンからはオートリキシャーで国境まで行かねばならないのだが、一人で乗るなら200ルピーだと言い出し明らかに高い気がするのだが交渉虚しく、リキシャーに乗らねば国境へいけない私は立場的に負けていた。

バングラディシュ入国

リキシャーを降りイミグレーションへ向かうと自動小銃を担ぐ兵士たちが数名おり、パスポートやビザをチェックされる。一度やってみたかった陸路の国境越えだが、国境の物騒な雰囲気には終始怯えていた。脅えながらも無事、入国審査やアライバルビザの発給を受け入国に成功した。

これで一息つけると思ったのも束の間、バス会社の客引きが押し寄せてくる。ダッカダッカと行き先を伝えオフィスに案内されるのだが、とにかく彼らは客を取り合う。どこの会社のバスが良いかなんてわからないので、一番消極的な客引きについていくことにした。理由は消極的=客がそこそこ居て必死になる必要がない。→客が居るということはバスの質が良い。と考えたからである。最も消極的とはいえ、日本で客引きをやらせたら2秒で交番行きだろうが。

時刻は14時頃、15時15分発の700タカ(910円)のバスチケットを取りバスを待つ途中、同じくダッカへ向かうというバングラディシュ人の青年と仲良くなった。

私はバスの到着は明日の朝だとタカをくくっていたのだが(←黙れ)、彼によると8時間程度で到着するらしい。ヤバイ

今日の宿がありません。

うん、ここでバングラディシュの治安を確認してみよう。

「治安ランキング93位となるバングラデシュは、スリやひったくりなどの軽犯罪をはじめ、凶悪事件や窃盗・強盗事件、麻薬の密売など重犯罪も加速している国のため、治安状況は非常に危険であると言えます。」(https://onl.la/25gwLmw)

脊髄反射でホテル予約サイトを開くものの、更に重大な事実に気づく、

バスがどこに着くのかわかりません。

ダッカはかなり広く歩きやリキシャーでどこにでも行ける訳では無い。東京行きの深夜バスを取ったものの東京のどこに着くかわからないのと同じ状況である。

困り果てていると先ほどの青年が家の近くで知り合いがホテルやってるから連れてってやるよと申し出てくれた。彼が悪人である可能性を考えると少々身の危険を感じるが、ついて行かない方が明らかに危険なのは目に見えていたので、申し出を受けることにした。

彼とは偶然にも席が隣でバスの中でバングラディシュについて色々と教えてくれたほか、気を使って「食べ物」や飲み物を買ってくれた。バスがダッカに着くと真夜中23時半、停留所からホテルまでのリキシャーの交渉やホテルのチェックインまで手伝ってくれ、彼の優しさによって無事バングラディシュ最初の夜を過ごせたのであった。