13日目後編、バラナシの午後と再会part2

複雑な心境の中、宿に向かって歩いていると、やはりここは生と死の聖地であると同時に、観光地である。心が休まる暇もなく商売人の猛攻に遭う。

ダボダボズボン?
買わんよ
織物?
見たくもない

宿につく頃には、神妙な気持ちは綺麗さっぱり消え去り、観光地としてのバラナシに怒りと疲れを感じていた。


宿で休憩がてら今後の予定を練りながら他の宿泊客と雑談していると、彼は数日前ローカルのスイーツを食べて腹を壊したが、治ったので今からまた食べに行くとか訳のわからないことをのたまった。しかしながら、私もまた今、バングラディシュでの食あたり&入院を経験し最強の胃を手に入れたと思い込んでいるので当然ついて行くことにした。

世界一甘いお菓子 グラブジャムン
※甘いドーナツを限界までシロップに漬け込み飽和状態にしたもの

高野豆腐のシロップ漬みたいな味のやつ

甘すぎた。感想はそれ以外に無い。
きっとちょっとおバカな人が甘ければ何でも良いと思って生み出してしまったお菓子だろう。


ベジウッタパンで口直し。
※甘くないホットケーキ生地に野菜炒めを包んだもの

そうこうしてるうちに時間は過ぎ、夕方になってしまった。明日バラナシを出発する予定なのだが電車のチケットは愚か行き先も決まっていない。ネパールに行くか、一度ガヤーに行ってから考えるかの二択に悩んでいると宿泊客の一人が明日ネパールへ向けて出発するから良かったら一緒にどうだと誘ってくれた。旅は道連れ世は情け、ネパールに行くと即断した。ネットチケットの取得に小一二時間格闘したが取得出来る気配がなく、嫌々4km先の駅の窓口で切符を買うべくリキシャーに乗った。

リキシャーのオヤジは小賢しい男で、150ルピーで約束してからも走行中永遠に値段の交渉をしてきた。暑くて汗をかいたから200ルピーだとか、外国人の単位はルピーじゃなくてドルだとか面倒なことを言ってきて最初は理性的に諭して居たがあまりにもしつこく、だんだんと腹が立ち、これ以上値段交渉するなら今降りるし1ルピーだって払わないと言い放つと渋々少し静かになった。
駅につくとオヤジはバクシーシ(施し、チップというより喜捨に意味合いは近い)を求めてきたが完全に腹が立っているので渡す気はなく、静かに運転出来るようになったらあげると言い立ち去った。

コルカタでの経験のおかげでチケットをスムーズに発券してから、帰りは150ルピーで乗せてくれるというオートリキシャに乗った。こちらのリキシャーのおっちゃんは気さくな人でオートリキシャーの前座席に乗せてくれたり、町の景色について色々と解説してくれた。勿論、彼にはバクシーシをあげた。見習えよ、オヤジ。

オートリキシャーの助手席?というか運転席を2分して座ってるだけ。

宿に戻ってから、寝る支度をしているとドミトリーに一人の日本人が入ってきて思わずお互いに声を上げてしまった。
彼はコルカタで出会った大学のOBである。ガヤーで一泊してからバラナシに来たという。ここが日本人宿というのも大いにあるが日本人宿すら数軒ある中で、同じ宿の同室とはまた運命的な何かを感じざるを得なかった。
ハウラー駅では語り尽くせなかったお互いの旅の話や大学の話を心ゆくまで話す事ができた。