9日目、インド入国拒否inブリマリ

朝8時、バスは国境付近に辿り着いた。

バスを降りると乗客の一人が日本人はブリマリの国境を越えられないよという。
は?ブリマリはダッカからダージリンへ抜ける外国人にもメジャーなルートなはずなんですが...
バス会社の人間も出てきて日本人は駄目だと言う。(乗る前に教えろよバス会社) (※日本人はというより、バングラディシュ、インド、ネパール、ブータンいずれかのパスポートでないと通していないんだとか)

親切な乗客が近くの空港までレンタカー手配してやるから飛行機でダッカに帰れと提案してくれるが、イミグレーションの人間でもない人が駄目だと言ったぐらいで戻るほどアホではない。

もう自分で突破するから大丈夫だと親切を退けるも、それならイミグレーションまでついて行ってやるから試してから決めるよう説得された。

バングラディシュの国境警察にスタンプ無しでインドに一旦向かう許可をもらい、インド国境へ。親切な乗客がインド国境警察と何やら話をしてくれたが警察は駄目だと言ったみたいだ。自分でもビザはあるし、問題無いはずだと言うが取り付く島もない。完全敗北を喫した。

国境を離れてから、ブリマリ国境を外国人が通れないなんてバカな話があるかと考えれば考えるほど怒りが込み上げてくるが、その矛先は自分の無力さに向いていた。

あの場でもっと盛大に抗議すべきで、もっと英語を話せるやつを出せとか言うべきだったと友人からも教えられた。

しかし、英語が通じるやつが出てきていよいよ討論開始になったとして大きな問題がある。

私にはあまり英語が通じません

大学入試以降ほぼ英語に触れていない私の英語力は、約中学3年生まで退行しており、込み入った交渉をする力は無いに等しい。全く無力である。

早朝にsimカードの期限が切れており、バングラディシュの果てで自分一人では何もできない状況に陥ったものの、先ほどのバングラディシュ人が私に空港までの運転手とレンタカーを手配してくれた。

ホテル無しのダッカ到着や、入院、入国拒否などバングラディシュは悪くないのだが、入国してからトラブル続きで、とばっちり的にこの国を嫌いになりそうになるも、ピンチを救ってくれたのは何時だってバングラディシュ人だった。


最寄り空港まで3時間ほどのドライブである。
バングラディシュの日常はダッカとバスから見たエキサイティングな疾走風景しか見ていなかったので、普通自動車からゆっくりと農村部の風景を見る機会を得てこれはこれで良い経験になったと思うことにした。

運転手は23歳の好青年で、英語はほとんど通じないのだが、知っている単語を駆使して私に車窓から見えるものを教えてくれた。会話は少なかったが、心地の良い3時間であった。

空港に着くと、チケットが無ければ、ターミナルには入れないとサブマシンガンを持った兵士に止められるものの、不思議ともうあまり怖くなかった。
俺はチケットを持っていないが中に航空会社のカウンターがあるだろう?今からそこで買うんだ。と、兵士と押し問答をしていると人が集まってきて、もうわかったから入れと空港に入れてくれた。


ダッカには1時間半程で到着した。
空港のwifiでホテルを予約し、地図をダウンロードしてから行くつもりだったが、到着ロビーは外へ直通となっており、まもなく、ネット無し、宿無し、土地勘無しの状態でタクシー軍団の前に放り出された。

どこへ行くんだと次々に尋ねられるが行く宛が無い。ホテルが無いと言うと、俺が知ってるホテルに2000タカで連れてってやると言われるが明らかにボッタクリの気配がする他、安全性も信用できない。

そこでホテルへ行くのは一旦後回しにし、simカードを手に入れインフラを整えることにした。一番近くのsimショップに連れていけと言うことを変えるが、値段は変わらないので言い値の1/10を言い返し、タクシーを追い払いながら宛もなく彷徨っていると俺の車に乗っけいけと自家用車に乗るよう言われる。ありがたい話だが、あまりに強引になので危ない予感がして断っていると、500タカでsimショップに連れて行くとバイクタクシーが声をかけてくれた。simショップの、場所がわからないながらも、バイクタクシーの相場はある程度把握しているので、頑張って交渉し300タカで話をつけ、空港を出た。

simショップはかなり近く300タカでも割高だったが無事到着し、運転手と別れるつもりが店内で契約やアクティベートの手伝いをしてくれた。

simが手に入り、私が自分でホテルを探していると、運転手は知り合いのホテルの名刺を差し出し、ホテルのプレゼンを全力でしてきた。(彼には仲介料が入るので)
しかし、値段が少々高いために行きたくならず、ネットを手に入れた私は自分ですぐ近くのホテルを押さえここへ連れて行くよう運転手に念押しし、再びバイクに跨がる。

無事、予約したホテルに付き、運転手に300タカとsimのお礼&運賃としては多めに300タカを上乗せし、600タカを渡すも、だめだ1000タカよこせと運転手が言い始めた。600タカでも十分過ぎるほどだし、そんなに取るなら先に言うべきだと主張するが運転手は怒り始めまともに交渉出来なくなった。すると慌ててホテルのスタッフが出てきて仲裁に入る。運転手をなだめ、双方から事情を聞き私に800タカで手を打つよう提案してきた。元気があれば抗議したかもしれないが今日は疲弊仕切っていたので素直に800タカを運転手に手渡す。

800タカでも終始不満そうな彼を横目に立ち去ろうとするが、彼の方が少し大人でThank you bossと仲直りの握手を求めてきた。私も小さくすまないと告げ握手をしホテルへと入った。
彼もお金に飢えていてるだけで悪い人では無いのだろう。

部屋に入ると、緊張の糸が切れ、一気に疲労が押し寄せてきた。もうこのまま寝てしまおうか、せめて洗濯だけでも....カサカサ....カサカサ

沢山の黒くて小さなお友達が出迎えてくれた

日本での釣り離島遠征時にお友達が沢山いる民宿を経験していたので小さいのはまだ無視できたが、うん

大きいお友達もいますね

鳥肌が立ちつつもデコピンで2.3匹除去したところで元気が出てきたのでシャワーと洗濯を済ませ、蚊帳ならぬG帳を張り、さらにはベッドには小さくて白い妖精達を確認してしまい、蚊帳の中にレジャーシートを引き完全防備で眠りについた。