23日目、呑んだくれ食い倒れの町カトマンドゥ

昨晩は早く寝たためか、スッキリと目覚めた。
カトマンズは標高1400m地点にあり、そこからさらに数百メートル登った場所に宿泊しているので大変涼しく快適な夜だった。

朝食でも食べようと外に出る。ん、なんかこのハッパ写真で見たことあんな。

大麻です。
部屋の目と鼻の先に立派な大麻が生えていた。

そんなことより朝食を食べにリビングへ

出迎えてくれたのはまだ寝ているホームステイペットのジャッキー。


ネパーリーブレックファスト
左下のはジャガイモ、玉ねぎ、トマトを酸味強めのデミグラスソースで煮込んだような味で大変美味。ポカラでも同様のものを食べていたがこちらはパクチーが効いていてまた新鮮な味わいであった。

私の他にもう一人フランス人の男性が宿泊しており、彼と話ながらのんびりと朝食を済ませた。

朝食後はチャイを飲みながら、日本語が少し出来る宿の主人と日本語混じりの英語で話しながら時間を潰す。
時折窓から、ヤギの群れを連れた人が見えるので一緒に見に行ってみる。こいつらからミルクを取るのかと聞くと、ネパール人はヤギのミルクは飲まないという。つまりはそう云うことである。主人は群れを率いている人にお金を渡し、間もなく宿の裏口に一匹のヤギが連れて行かれた。

嫌々来た、ネパールの超田舎であったがのんびりと且つ充実した時間を過ごせたように思う。今度はこちらに長居したくなったがスクーターを2日しか借りていないので、渋々カトマンズへ帰還する。

ネパールの道はボコボコだったり、割り込まれるという話はしたが、もう1点酷いものがある。それは大気汚染だ。黒煙を吐くトラックとバスが走り回り、さらには道の砂埃を巻き上げる。またカトマンズは盆地であるため悪い空気が抜けていかない。したがってサングラス無しでは目にゴミが際限なく入るほか、マスク無しだと口や鼻の中がジャリジャリしてくる。ということで、ヘルメットサングラスマスクという幼稚園の不審者訓練さながらの風貌でカトマンズの盆地を駆け抜けた。

寄り道を2件ほどしてカトマンズへ帰る。

世界遺産であるチベット仏教寺院


インド人も巡礼にくるカトマンズヒンドゥー教寺院。境内には教徒しか入れないが、ここでもガートと火葬場を目にすることが出来た。
ここでは多くの亡骸が焼かれており、肉の焼ける臭いが立ち込めていた。

火葬を眺めていると突然一人のおっちゃんが隣に来て色々と解説しだしたので、悲しい事にこの旅で磨かれてしまった、親切素直に受け取らないセンサーが作動。

おっちゃんガイドは無料かい?→はぐらかされる
お金は払えないけど説明してくれるの?
んな訳ねえだろガイドは有料だ。
突然押し売りすな、サイナラ


寺院の敷地は広く、ヒンドゥー教徒エリア、火葬場、の他にもカンボジアの遺跡を思わせるような石造りの建物が立ち並ぶエリアがあった。尚全てのエリアが猿のテリトリーであり目を合わせたり子供に近づくと全力で威嚇してくる。観光客から奪ったと思われる菓子の袋を持っている者もいた。

再びタメルへと帰還し、カトマンズ初日とは違う宿にチェックインする。
シャワーを浴びたら早速、日暮れ色に染まる街へ繰り出す。昨日、ネパールの地酒の虜になってしまい本日も酒を飲むべく苦労して地酒が飲める店を見つけていた。

店で頼んだのはtongbaという地酒。

発酵させたキビの実を木樽一杯に詰め、そこにお湯を注いで飲む。味を近い表現で言えば炭酸の抜けた温かいビールだが、そのようないかにも不味そうな物ではなく、キビのエキスがお湯に溶け出し、芳醇な香りと深い味わいを楽しめた。また、飲み終える前に再びお湯を注ぐことで2.3杯同じ味わいを楽しめるのが面白いところ。不思議な事に度数も3回目まではあまり下がらない。


お酒のつまみは、ローカルフードが最高である。名前は忘れたが、豚骨ほうとうのような食べ物と揚げモモ。

また驚くべきはその値段だ。
tongba 150ルピー
ほうとう 160ルピー
揚げモモ 150ルピー 全部で500円程度
tongbaの度数がそこそこあるため、これだけで満足できた。

これだけ安くて美味しいお酒とご飯にありつけるとは訪れるまで知らなかった。実はカトマンズはトレッキングやカジノの町ではなく食い倒れ呑んだくれの街だったのだ。

宿への帰り道は飲んだ後に、福岡の中洲川端を歩く気分と酷似していた。